離婚について 離婚の原因
Auther :福井 春菜
Q 不貞行為(不倫)してしまったのですが離婚できますか?
A 不貞行為をしてしまった方から離婚を請求するときには、通常よりも離婚の成立が難しくなります。
不貞行為は、婚姻関係破綻の主要な原因とされることが多いところ、不貞行為をしてしまった方(有責配偶者)からの離婚請求は、信義則上許されないとされているのです。
もっとも、①夫婦間の別居が長期間に及ぶことや、②未成熟子(自分で生計を立てていない子)がいないこと等が考慮されて、信義則に反しない特段の事情があることを主張立証すれば、離婚が認められることもあります(最高裁平成16年11月18日判決等参照)。
①については、同居生活が約6年7か月に対し、別居生活が2年4か月と、婚姻期間に占める別居期間の割合が35%を超えていても、相当長期間に及んでいるとは言えないとされています(上記最高裁判決)。もっとも、単純に割合だけではなく、同居期間の実態も考慮されると考えられます。
②は、非常に重要なポイントです。特に学齢期で学費等の教育費負担が大きい期間には、なかなか離婚が認められない傾向があります。
また、未成熟子がいなかったとしても、離婚によって相手方配偶者が精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態に置かれるような場合には、離婚請求が認められないとされています(上記最高裁判決)。
そのため、相手方配偶者の収入状況(パートタイム労働者である等)その他の生活状況等も考慮されることに注意が必要です。
離婚原因の判断は、双方の責任の有無・程度に加え、上記のような諸事情の適切な考慮が必要となりますので、ご相談ください。
お困りの際は弁護士法人アステル法律事務所へご相談ください。