子どもと親権について 親権
Auther :福井 春菜
Q 離婚で母親が親権をとったら、子は父親の「扶養」(社会保険等)からはずれますか?
A 親権をとったからといって当然に子が社会保険等からはずれる(脱退する)わけではありません。
離婚は夫婦関係を解消するものであり、親子関係を解消するものではありません。親権を有していない親も、子どもとの親子関係は続いていきます。
親権者でない親に、養育費の支払い義務があるのは、子に対する扶養義務があるからです。
このように、親権者でない親も子に対する扶養義務を負いますので、離婚後も、子を父親の社会保険に入れておくこと自体は可能であり、母親の健康保険料の負担等にも鑑み、父母協議のうえ、父親の扶養に入れたままにするケースもあります。
しかし、そのようなケースでは、親権者において、子の健康保険に関する諸手続を行うことができず、随時父親の協力を求めなければならないことも生じ得ます。このため、父母の円滑な協力が期待できない状況であれば、離婚後速やかに、親権者でない父親の社会保険等からは脱退しておいた方がよいでしょう。
質問のケースで、父親の社会保険等から脱退し、国民健康保険や母親の社会保険等に切り替える場合には、離婚後、父親から母親に対し、父親の会社等から「健康保険資格喪失証明書」をもらう必要があります。
弁護士法人アステル法律事務所では、受任後のサポートとして、離婚後の手続についての助言も行っておりますので、安心して弁護士法人アステル法律事務所へご相談ください。