養育費について 養育費に関する手続き
Auther :木上 望
Q 離婚当時の収入を基準に養育費の額を決め、離婚してから約5年が経ちます。私は、細々としたパートにより糊口を凌いでいますが、元夫は、事業で成功を収めてかなり収入が増えているようです。子ども達も成長し、クラブ活動や学習塾の出費が大きな負担となっています。そこで、養育費を増額してもらいたいのですが、どのように話を進めたらよいでしょうか?
A 養育費の支払は長期に及びますので、その後の事情の変化によって、離婚の際に決めた養育費の金額が実情に合わなくなることがあります。
ご相談のケースは、養育費の増額請求ですが、この場合、まずは、支払義務者に対して、事情を説明して増額を求めることになります。当事者間で話し合いをすることができない場合や、協議をしたものの合意に達することができなかったという場合には、家庭裁判所に調停または審判を求めることになります。
もっとも、当初の養育費の算定は、通常、諸事情を考慮して行われていますので、一度決めた養育費を減傾や増額する場合は、養育費を定めた時に予想できなかったような事情変更があったということが必嬰となります。少々の事情が変化した程度では、少なくとも審判では養育費の増減額は認められませんし、話し合いでも支払義務者の理解を得ることは困難でしょう。
例えば、当事者の就労環境や社会的地位の変化に伴い、大幅な収入の増減が生じた場合や、当事者の再婚により新たな子が出生した場合、子どもの病気等のため予想外の医療費等が必要となった場合など、当事者を取り巻く社会的状況、経済情勢の変動などにより現在の養育費の金額を維持することが当事者に酷であり、客観的に当事者間の衡平を害するような場合には、養育費の増減額請求も認められるものと思われます。
ご相談のケースでは、当初の養育費を決定してから約5年が経過していること、相手方(元夫)の収入が大幅に増加していることからすると、養育費の増額が認められる可能性は十分にありうると思いますので、まずは、相手方に申し入れを行い、それが功を奏しない場合には、家庭裁判所に調停あるいは審判を申し立てると良いでしょう。
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