養育費について 養育費
Auther :木上 望
Q 養育費は、子どもがいくつになるまで支払ってもらえるものですか?
A 民法第766条第1項は、「子の監護に要する費用」の分担を定めていますが、その支払期限については記載がありません。もっとも、同項にいう「子」とは、「身体的、精神的、経済的に成熟化の過程にあるため就労が期待できず、第三者による扶養を受ける必要がある子」(未成熟子)と考えられていますので、どこまでを「未成熟子」と考えるかによって変わってきます。
一般論としては、社会に出て、稼働することが期待される年齢に達した際には、もはや未成熟子とは言い難いと思われます。
具体的には、養育費を定める段階で、高校を卒業後、就職することが予定されている場合や、現に、就労して経済的に自立している場合などは、成年に達する前でも養育費の支払対象から外れることになりますが、そのような具体的な予定や現状がある場合を除けば、原則としては、成年に達する月が養育費の終期となるでしょう。
また、成年に達した後でも、大学に在学し、勉強しているため働くことができない場合などは、経済的に自立しているということは言えません。子どもにどういった教育を受けさせるかについて、監護親と非監護親で考え方が分かれることもありますが、文部科学省の平成28年度大学基本調査によりますと、大学(学部)への進学率は52%と高く、大学進学については特別なものではなくなってきました。そのため、親の収入、学歴、職業、生活水準等を勘案し、その子どもが大学に進学することが不相当という場合は別として、近時は、養育費の終期を、「大学を卒業する年の 3月まで」や「満22歳に達した後の最初の3月まで」とすることも多いと言えます。
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