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離婚のアレコレ/将来受け取ることができる退職金について、財産分与を求められています。分与しなければならないのでしょうか?

財産分与と慰謝料について 財産分与

kigamiAuther :木上 望

Q 私は、まだ退職していませんが、将来受け取ることができる退職金について、財産分与を求められています。退職金も分与しなければならないのでしょうか?

 

A あなたが、将来において退職金を受給する蓋然性が高いときは、退職金も財産分与の対象となり得ます。ただ、その場合でも、具体的にどのような形で財産分与をするかについては、ご希望や具体的状況を踏まえて検討する必要があります。

 

退職金は賃金の後払い的性質があり、給与と同じく、財産形成にもう一方の配偶者の寄与があるとして、財産分与における清算の対象と考えられています。

ただ、既に支払われた退職金ではなく、将来受け取ることができる退職金については、勤務先の倒産や経営難その他の事情で将来の支払やその額が不確実であるという点は否定できません。そのため、将来の退職金が財産分与の対象となるか否か、なるとしてどのように評価し、いつ清算を行うかといった点は議論が分かれています。

裁判例は、将来において退職金を受給する蓋然性が高いときは、夫婦の婚姻期間に対応した分を清算の対象とする傾向にあります(東京地判平成17年1月25日、東京地判平成15年4月16日、東京地判平成11年9月3日等)。「将来において退職金を受給する蓋然性が高い」か否かは、勤務先が大企業か中小企業か、あるいは官公庁かといった規模や性質、勤続年数や定年までの年数、退職金規程の有無や内容等によって判断されています。

また、将来の退職金が財産分与の対象とされる場合であっても、その清算時期について、離婚時にするか、実際に退職した際にするかという点や、その上で、どのように評価するかという点で判断が分かれており、各夫婦の個別事情を踏まえた合理的な方法を模索することになります。

考えかたの例は末尾に記載のようなものがありますが、実務的には、将来の退職時に支給される退職金見込額を現時点で算定すること(上記(1)②及び(2)②)は現実には容易ではありませんので、離婚時点で自己都合退職したと仮定し、離婚時に清算する方法((1)①)が比較的多く採用されています。ただ、この場合、分与を受ける側からすると、自己都合退職の場合、支給率(退職事由係数)が低くなるという点、分与する側からすると、退職金を実際には受領していないため支払原資を確保できるかという点がよく問題となります。

そのため、退職時に清算することとし、(2)③のように金額ではなく、算定方式(将来の退職時に退職金が支給されることを条件に、実際に支給された額から所得税等を控除した残金を同居期間に割り付け、これに寄与度を乗じた額を支払う)を合意するにとどまるケースもあります。

 

【将来の退職金の算定方法の一例】

(1)離婚時に清算する場合

① 離婚時点(別居している場合には、別居時点。以下同じ。)に自己都合退職したと仮定した場合の退職金額を、同居期間に割り付ける方法

【算定方法】離婚時点における退職金額×自己都合退職の支給率×同居期間÷離婚時点までの勤続期間×寄与度(特段の事情がない限り2分の1とされています。以下同じ。)

 

② 将来の退職時に支給される退職金見込額を算定し、これを離婚時点の価値に引き直した上で、同居期間に割り付ける方法

【算定方法】将来の退職時における退職金額×離婚時点から退職時点までの残年数に対応したライプニッツ係数(※)×同居期間÷定年までの勤続期間×寄与度

※ 将来受け取れる金銭を前倒しで受けとることにより、得られることになる利益(運用利回り)を控除するために使う指数

(2)退職時に清算する場合

① 離婚時点に自己都合退職したと仮定した場合の退職金額を、同居期間に割り付ける方法

 

② 将来の退職時に支給される退職金見込額を算定し、離婚時点(別居している場合には、別居時点)の現在価値に引き直した上で、同居期間に割り付ける方法

 

③ 将来の退職時に退職金が支給されることを条件に、将来の支給額から所得税等を控除した残金を同居期間に割り付ける方法

【算定方法】(将来の退職時に支給された退職金額-所得税等)×同居期間÷退職までの勤続期間×寄与度

 

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